①サリドマイド薬害とは
サリドマイドは睡眠薬や胃腸薬などとして, ドイツでは1957年, 日本では1958年に発売されました。最初は妊婦や小児も安心して飲める医薬品だと考えられていました。しかし, 後にわかったことですが, サリドマイドには, 妊娠初期に服用すると, 胎児に四肢短縮などの障害を引き起こすという性質があったのです。そのため, 全世界で数千人の障害者が生まれ, また, 多くの死産が起こりました。②解決までの経緯
ドイツでは
多くの被害者を出したものの, 1961年11月にある医師がサリドマイドの危険性に気が付き製薬会社に警告を発しました。政府やマスコミが動いたこともあり, すみやかに対策がとられ, 2週間後にはサリドマイドが回収されました。製薬会社は, 1962年3月と4月に日本の製薬会社にも危険性に関する警告をおこないました。アメリカでは
1960年には, アメリカでもサリドマイドを医薬品として発売するために必要な許可の申請がなされました。しかし, 医薬品を認可する立場にある担当官が妊婦への安全性を示すデータが不十分などの理由で申請を却下し続けました。その間にサリドマイドは世界的な問題になっていました。担当官は1962年8月に国民の健康を守ったとして大統領から表彰されました。日本では
日本において回収が決定されたのは1962年9月のことです。しかし, そのときも国からの回収命令はなく, 回収はなかなか徹底されませんでした。日本において障害のある状態で生まれた人の数は309人で, 増山ゆかりさんも含めて, そのなかの多くがドイツで薬剤が禁止・回収された後に被害を受けた人だといわれています。③その後
日本における薬害はサリドマイドだけではありません。キノホルム剤によるスモン, 血液製剤によるHIV感染(いわゆる「薬害エイズ」), C型肝炎ウイルス感染, MMRワクチン接種による無菌性髄膜炎, などが起こっています。1999年8月に厚生省(現・厚生労働省)は医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないように, その決意を銘記した「誓いの碑」を正面玄関前に設置しました。誓いの碑
命の尊さを心に刻みサリドマイド, スモン, HIV感染
のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることの
ないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を
重ねていくことをここに銘記する
千数百名もの感染者を出した「薬害エイズ」事件
このような事件の発生を反省しこの碑を建立した
命の尊さを心に刻みサリドマイド, スモン, HIV感染
のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることの
ないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を
重ねていくことをここに銘記する
千数百名もの感染者を出した「薬害エイズ」事件
このような事件の発生を反省しこの碑を建立した
平成11年8月 厚生省